バリアフリーやノーマライゼーションやアクセシビリティという言葉が広く聞かれるようになってきて以来、日本における障害児・者の生活の領域は、以前と比べればかなり広がってきてはいます。しかし、いまだにバリアフリーやノーマライゼーションの言葉がよく使われているのはなぜでしょうか。それは障害児・者の生活が、まだまだそれらの言葉を必要としない程には豊かなものになっていないからだ、と言えます。
私たちは2004年9月に小さな事業所「パワフルサービス」として出発し、支援費制度の中の移動介護を使って知的障害児・者の方達の外出を中心にヘルパー派遣を続けてきました。
その中で見えてきたのは、障害児・者の生活があまりに家族に依存している現実でした。また、家族以外の人と外出した事のない方が多い事や、家族以外の人に託す事ヘの不安を持っておられる保護者がまだまだ多数いる事がわかりました。そのような中で、外出することにより自分の楽しさを見つける事が出来た方も少なくありません。
支援費の移動介護は、今までの障害者施策の中で余暇に目を向けた画期的なものでした。しかし、活動していく中で、家族やご本人の多様なニーズにこたえられる地域社会を作るためには、まだまだ必要な課題が沢山ある事が見えてきました。
例えば、障害を持った方々が楽しむ事への社会の理解の乏しさがあるでしょう。また本人が望むことがみつからない、あるいは障害が重いことなどの理由から、周りの人が「どこへも行きたくないようだ」と勝手に判断してしまい、本当の望みをかなえられていない事も問題の一つでしょう。
私たちは1回の外出についても「どこへ行くのか」「誰と行くのか」「どのような対応が望ましいのか」等を研修などの中で何度も話し合ってきました。街に出て自分の楽しめる事を見つけたり、自宅にいても自分らしい時間の過ごし方を見つけたり、自分の生き方やライフスタイルを自ら決めて行くためには、一緒にいてサポートする人の存在とそれを可能にする場が必要です。
また、仲間作りも大切なことです。それは障害児・者だけではなく、親や家族同士、もちろんサポートをしていく私たちにとっても同様です。そうして作られる仲間の輪が地域の人々に広がっていけば、困っている人や助けを借りたい人にも、自然と手が差し伸べられていく地域社会が形成されて行くのではないでしょうか。
私たちは法人化し、社会的な責任を持ち組織の強化をしていくとともに、心ある多くの人達と一緒に進めて行くことを考え、特定非営利活動法人の設立を致します。
障害をもつ子どもたちがさまざまな経験をすることにより、社会的自立を目指した放課後クラブ。その設立時の親の希望から発足した「ぽぽらーと」は、これまで以上に障害児・者の生活に寄り添い、必要なサービスを提供して行きたいと思います。
私たちは多くの事業をする事だけではなく、他のNPOや団体・行政・個人を繋げ、誰もが心にゆとりをもち、自立し楽しく生活できる地域を目指すことを目的としてます。また、地域の障害児・者と子どもから高齢者までの福祉を、枠にとらわれることなく包括的にサポートすることを目的としてます。
法人成立の年月日(平成18年10月26日)